簿記検定と経理実務

先日、日商簿記検定の講座を担当している講師の方とお話をする機会がありました。その方とは以前の職場が同じでお互いに退職した後も定期的に会って飲みに行っています。私は税理士事務所で毎日実務的な経理には携わっていますが、簿記検定を受験したのははるか昔のことで、正直どんなことを習ったかも覚えていません。それは彼も同様で、もちろん、簿記検定の受験経験もあり、実務では毎日のように経理を扱っていましたが、いざ簿記検定を教えるとなると、実務では絶対に出てこない勘定科目に当初は戸惑ったそうです。例えば、「水道光熱費50000円を当座預金の口座から振り替えて支払った。なお、水道光熱費のうち20,000円は、事業主個人の家計が負担すべきものである」という問題の仕訳はどうなるとおもいますか?確定申告業務などをこなしていれば、こんなケースはしょっちゅう出てくるはずです。そして迷わず、事業主勘定で処理すると思います。しかし、正解は出資金勘定という科目で処理するらしいです。出資金勘定??弥生会計にそんな科目はあったけな?と思いましたが、現役講師がいっているのだから間違いはないでしょう。

正直、初めて会計事務所で働いた時は、事業主勘定という科目も知りませんでした。きっと、簿記検定の2級の勉強から始めたので、出資金勘定も習わなかったし、実務未経験だったので事業主勘定も知らなかったのでしょう。

簿記検定は簿記の仕組みは知っているというアピールにはなりますが、多分実務に初めて付くと知らないことだらけだと思います。昔、簿記検定の勉強をしていた時に、例えば減価償却の計算をする場合、問題分では残存価格いくら、耐用年数いくらと書かれているので仕組みを知っていればだれでも計算は出来ましたが、実際に耐用年数なんてどうやって決めるんだろうといつも疑問に思っていました。もちろん、実務では自分で決めなければいけません。他にも、貸倒引当金の引当率なんかもそうです。問題分に書いてあるからその通りに計算しただけですよね。この答えこそが、日本の一種独特な会計制度につながるわけですが。長くなったので、また追々書いていきます。