国民健康保険って安くならないの

今年も確定申告の時期を迎えました。今年も少なからず、個人の確定申告のお手伝いをすることになります。

2月に入ってから確定申告の打ち合わせで、あちこち訪問していますが、良く聞く不満が国民健康保険が高すぎると・・・。

国民健康保険は市町村が運営しているため、各自治体の財政状況によっても金額は違ってきますが、少し大阪市の状況を見てみましょう。

国民健康保険には扶養という概念はありませんので家族の人数が多いほど金額も大きくなります。金額は3つの構成要素から成り立っています。

①医療分保険料 8.09%

②後期高齢者支援金分保険料 2.79%

③介護分保険料 2.7%

 

具体的にご夫婦2人で旦那さんの年収が400万円、奥さんの年収が100万円という一般的な世帯のケースで計算をしてみましょう。年齢は二人とも40代と致します。

 

まず、各自の算定基礎所得金額を求めます。算定基礎所得金額とは年収から給与所得控除の金額を差し引き、さらに33万円を引いた金額です。

旦那 年収400万円 給与所得控除134万円 算定基礎所得金額 400万円-134万円-33万円=233万円

奥さん 年収100万円 給与所得控除65万円 算定基礎所得金額 100万円-65万円-33万円=2万円

 

この数字に上記パーセンテージを掛けると

235万円×(8.09%+2.79%+2.7%)=31万9130円

これに平等割(5万5349円)と均等割り7万470円(3万5235円×人数)を足した44万4949円がこの世帯の国民健康保険の金額になります。月額にすると3万7千円ほどになります。

 

決して安い金額とは言えません。もっと安くならないものかと多くの方が思うでしょう。かと言って法人成りして社会保険に加入したところで、それほど変わりません。

大阪の政府管掌健康保険の保険料率は11.78%です。奥さんが扶養家族に入るとしても、400万円×11.78%=47万1200円になりさらに高くなってしまいます。

 

ではどうしたらいいのか。正直万人に適用されるような節税はありませんが、特定の職業につかれている方は、その業界に保険組合がないか確認をしてみてください。

 

我々の業界では近畿税理士国民健康保険組合というものがあります。

この近畿税理士国民健康保険組合の場合、税理士1名32300円、家族1名11800円になります。上記の所得水準では大幅に金額がアップします。ただ、所得金額にかかわらず金額が一定のため、所得の高い方には有利になります。

 

また有名どころでは文芸美術国民健康保険組合というものがあります。こちらは加入者1名20500円、家族1名12300円になり、上記ケーススタディーでも月額5000円ほど安くなり、こちらも所得金額にかかわらず金額は一定ですので、所得金額が大きくなればなるほど、割安になります。文芸美術国民健康保険組合の保険料の安さは飛びぬけているように思います。ウェブ関係、デザイン関係のお仕事を個人でされている方は、一度ご検討ください。