税理士事務所の広告

最近、税理士、会計士といった同業者に限らず、司法書士や弁護士の先生とお話しする際によく話題に出る話が営業活動に関することです。どこの事務所も、ホームページの作成はもちろんのこと、交流会に参加して人脈を広げたり、経営者団体のようなものに所属したりと、様々な活動を行っているように見受けられます。

ただ、最近の営業活動、特にインターネットを通じた広告活動には行きすぎを通り越した、詐欺まがいのものも少なくありません。

その典型が、会社設立ゼロ円広告でしょうか。税理士事務所の業界では現在も大流行中ですが、設立代行をタダでやると言う広告を大々的にアピールする事務所があります。当然、タダなわけありませんが、ppc広告も含め、かなり多くの事務所が採用しているモデルですので、それなりに効果はあるのでしょう。

その他、顧問料無料というアピールも流行っていますが、当然、それもグレーだと思われます。顧問料という名称ではなく、例えば記帳代行料であったり、相談料であったりと名称を変更しただけのようですが、このモデルも多くの事務所が採用されているように見受けられます。

その他、サービス内容では、まる投げコースといった名称もよく見かけます。例えば、記帳代行であれば、領収書から請求書から全て、ぐちゃぐちゃのまま郵送してくれたら、格安料金で決算書まで作りますと・・・・。しかも、銀行融資に強い決算書を作りますと・・・。

ここまで来ると、少し呆れてきます。当社でも記帳代行では、多くの場合、最初に訪問した際に、これまでの決算書や領収書を見て、この会社でよく使う勘定科目を把握します。多くても10個程度です。そして、領収書は整理する必要はないが、大まかにこれだけの科目に分けてもらった上で、封筒に入れるなり、クリップ留めするなりして、渡してもらうようにしています。

当然といえば当然ですが、私どもが使ったわけでもない経費の内容など分かるはずもありません。どの科目が適切かという内容は本人にしかわからないものが多数あります。ですので、一次的に会社側で分類をしてもらってから渡してもらうようにし、2次的に当社で科目の判断をします。

ただ単に領収書をどさっと渡されて、一体どのような決算書を作っているのでしょうか。多分適当に割り振っているのでしょうか、事務所内での会話が思い浮かびます。「そんなの適当に消費品にしといたらいいねん」。

こんな決算書が融資に強いとも思われませんが・・・。